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玄米は痩せる!玄米の健康効果と玄米ができるまで

はじめに

玄米は、白米と比較して栄養価が高く、健康への様々な効果が期待されています。近年、玄米の健康効果に関する研究が進み、特に2型糖尿病や肥満との関連について、いくつかの論文が発表されていますので紹介したいと思います。

そのまえに米の収穫をし脱穀と籾摺りを行い、玄米を食べる大変さを身をもって味わったので紹介したいと思います。

玄米ができるまで

米の収穫

工程は省いて収穫からです。一般的に9~10月頃が収穫時期といわれます。稲刈りですが、とても大変です。

機械だととても楽で比較になりません。しかし、田んぼの端は機械でとるのは難しいので鎌でとらないといけません。

コンバインでお手伝いさせてもらいました。鎌とは雲泥の差です。

米の乾燥

米の変質を防ぐために1週間ほど天日で乾燥させます。

乾燥することで変質しないで保存しやすくなります。

脱穀

器で稲を押さえつけて脱穀します。穀物の粒を穂からとることを脱穀といいます。手作業でもこちらはあまり苦になりません。

籾摺り(もみすり)

これがほんとに大変でした。籾をとって、籾殻を取り除かなくてはいけません。初めはすり鉢に野球ボールを入れてゴリゴリしてましたが全く籾が外れず、最終的には、すりこ木でゴリゴリしました。これでも何時間もやって少量しか取れません😢 機械の偉大さに脱帽です。

参考:https://ameblo.jp/chikakoishii/entry-12764061700.html

精米(玄米から白米へ)

玄米ではなくなってしまいますが、玄米を精米すると白米の完成です。

白米に玄米をまぜておにぎりにしました。本当に米の一粒一粒の大切さ、重さを感じました。茶碗の米は残さずに食べるようになりました。

次からが本題の玄米と健康効果についてお話しします。

玄米とは

玄米は、稲の実から籾殻のみを取り除いた状態の米です。精白米と異なり、胚芽や糠層が残されているため、栄養価が高く、独特の食感と風味を持っています

玄米の栄養素は

玄米は精白米と比較して、たんぱく質、脂質、マグネシウム、リン、鉄分、ビタミンB群、食物繊維などの多くの栄養素を含んでいます。また、血糖値の上昇を抑制する可能性があるとされる、食物繊維、γ-アミノ酸、γ-オリザノール、フェノール化合物、ビタミン、アシル化ステリルβ-グリコシド、ミネラルを含んでいます。

玄米の健康効果に関する論文

白米と玄米の2型糖尿病リスクへの影響に関する論文

2022年に発表されたシステマティックレビューとメタアナライシス(いくつもの研究を分析した研究)で、玄米摂取と2型糖尿病リスクの関連が調査されました。コホート研究の結果によると、玄米の摂取は2型糖尿病リスクの低下と関連していることが明らかになりました。具体的には、玄米摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループと比較して、2型糖尿病リスクが11%低下していました。さらに、玄米の摂取量が50g/日増加するごとに、2型糖尿病リスクが13%低下することが示されました。一方、白米の摂取は2型糖尿病リスクの上昇と関連していました。白米摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループと比較して、2型糖尿病リスクが16%上昇していました。特に、1日約300g以上の白米摂取では、摂取量が158g/日増加するごとに2型糖尿病リスクが13%上昇することが示されました。これらの結果は、玄米が2型糖尿病の予防に有効である可能性を示唆しています。しかし、RCTの結果では、玄米と白米の間で糖代謝マーカーに有意な差は見られませんでした。唯一、HDLコレステロールが玄米群で0.06 mmol/L上昇したという結果が得られました。

引用:Yu J, et al. White rice, brown rice and the risk of type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis. BMJ Open. 2022 Sep 27;12(9):e065426. doi: 10.1136/bmjopen-2022-065426. PMID: 36167362; PMCID: PMC9516166.

白米と比較した玄米の肥満指数、脂質、血糖への影響の論文

2021年に発表されたメタアナライシスで、玄米の摂取が肥満指標や代謝パラメーターに与える影響が調査されました。結果によると、玄米の摂取は白米と比較して、体重を平均1.63kg減少させることが示されました。また、BMI(体格指数)も0.58 kg/m²減少することが明らかになりました。これらの結果は、玄米が肥満の予防や改善に効果がある可能性を示唆しています。しかし、脂質や血糖値に関しては、玄米と白米の間で有意な差は見られませんでした。

引用:Golzarand M, et al. The effect of brown rice compared to white rice on adiposity indices, lipid profile, and glycemic markers: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Crit Rev Food Sci Nutr. 2022;62(27):7395-7412. doi: 10.1080/10408398.2021.1914541. Epub 2021 Apr 27. PMID: 33905269.

玄米まとめ

玄米は多くの栄養を含み、玄米の摂取は2型糖尿病や肥満の予防に有効である可能性が高いです。また、その効果を最大限に引き出すためには、バランスの取れた食事や適度な運動など、総合的な生活習慣の改善が重要です。玄米を含む全粒穀物の摂取を増やすことは、健康的な食生活の一部として推奨されますが、無理のない範囲で取り入れていきましょう。


書いた人

石井優

資格
日本内科学会:認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本消化器病学会:専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会:専門医・指導医
日本肝臓学会:専門医
日本腹部救急医学会:認定医
日本膵臓学会:認定指導医
日本胆道学会:認定指導医
がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修終了
医学博士

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