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花粉症の時期が来ました-鼻アレルギーガイドライン記載のヨーグルトも花粉改善効果あり?授乳中は?-

東京で花粉症の人は約半分と言われています。私もスギ花粉の時期にアレルギー薬を飲んでいて、春は暖かくなる良い季節であるはずなのに億劫になります。花粉が飛散する前の初期療法など今回は鼻アレルギーガイドライン2024もふまえて花粉症についてお話します。

花粉症の概要

アレルギー性鼻炎の中の季節性アレルギー性鼻炎といわれるもので、花粉によって発現するものです。特定の植物の花粉に対する過剰な免疫反応によって引き起こされるアレルギー性疾患で、日本では季節性のスギやヒノキなどの花粉が主な原因となっています。また、地域によって原因となる花粉の種類は異なります。

原因となる植物の花粉

スギ花粉は2月から4月、ヒノキ花粉は3月から5月にかけて飛散し、日本で最も一般的な花粉症の原因です。

カモガヤなどのイネ科植物の花粉は、5月から9月頃に飛散します。これらは道端や河川敷に生育し、夏の花粉症の主な原因となります。

ブタクサやヨモギなどのキク科植物の花粉は、8月から10月頃に飛散します。飛散距離は比較的短いですが、身近な場所に生育していることが多いため注意が必要です。

これらの植物により、ほぼ年間を通じて何らかの花粉が飛散しています。

花粉症の症状

  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • 目のかゆみや充血
  • 喉のかゆみ

これらの症状は、花粉の飛散量が多い時期に特に顕著になります。

花粉症の重症度

鼻アレルギーガイドラインでは、くしゃみや鼻水をかむ回数と鼻が詰まっていている時間で重症度が決まります。1日中鼻がつまっていると最重症です。

花粉症の治療(手術を除く)

花粉の除去と回避

治療には、抗原除去と回避が必要です。マスクやメガネが有用です。家の中に花粉を持ち込まないようにしましょう。ちなみに沖縄にスギは自生していないのでスギ花粉の人はスギ花粉の花粉症になりません。

薬物療法

薬物療法は抗ケミカルメディエーター遊離抑制薬、ケミカルメディエーター受容体拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬、ステロイド薬、生物学的製剤、その他があります。第2世代抗ヒスタミン薬がよく用いられますが、人により効果や眠気などの副作用が異なるため主治医と相談しましょう。鼻アレルギーガイドライン2024年では抗ヒスタミン薬の増量や症状の強い人は花粉飛散する前にアレルギー薬の内服を開始する初期療法が記載されました。鼻症状が強ければロイコトリエン拮抗薬や点鼻ステロイド薬が推奨されます。既存の治療に抵抗性で症状の強い方はオマリズマブという分子標的治療薬もあります。血液検査のIgEの値で投与量が変わるので非常に高額になることがあります。

アレルゲン免疫療法

減感作療法といわれるものです。スギやダニで用いられる舌下免疫療法があります。スギ花粉が飛散しない6月〜12月に開始します。少量から摂取していき、3〜5年継続します。2割は効果ありませんが、8割の方は何らかの改善が得られるといわれています。開始前にアレルギーの原因を調べる必要があります。注意点としてはアレルギー症状が出る人がいるのと、現在薬の製造が間に合わず新規に開始する人の分は不足しています。

花粉症に対する乳酸菌を含む食品

ヨーグルトなどの乳酸菌を含む食品は、腸内環境を整え、免疫機能を正常化する働きがあります。乳酸菌と鼻アレルギーの研究は多くあります。効果は限定的な場合もありますが、鼻アレルギーガイドライン2024にも乳酸菌による花粉症への効果が記載されています。

花粉症に対する漢方

鼻アレルギーガイドラインでは小青竜湯の効果が記載されています。アレルギー薬は飲みたくなけど漢方薬ならという方にはいいかもしれません。

妊娠中の花粉症

花粉に曝露しないようにしたり鼻タオルなどをして薬は基本使わないほうが良いでしょう。妊娠初期は特に胎児に影響がある可能性があります。症状が強い場合には点鼻薬を使うことがあります。

授乳中の花粉症

授乳により極小の薬剤が乳児に与えられる可能性があります。必要な場合には同様に点鼻薬が使われます。

成育医療センターのサイトには点鼻薬や点眼薬は乳児に影響を与える可能性は低く、トラベルミン、デザレックス、アレグラ、クラリチンは安全に使用できると考えられていると記載されています。


書いた人

石井優

資格
日本内科学会:認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本消化器病学会:専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会:専門医・指導医
日本肝臓学会:専門医
日本腹部救急医学会:認定医
日本膵臓学会:認定指導医
日本胆道学会:認定指導医
がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修終了
医学博士

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