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医療豆知識

【2026年最新版】命を守る熱中症の初期症状と正しい予防対策を医師が解説

都内でも次第に気温が上がり、蒸し暑い日が増えてきました。温度と湿度が上昇すると、一気に跳ね上がるのが「熱中症」のリスクです。

実は、昨年(2025年)5~9月の熱中症による救急搬送者数は100,510人に達し、調査開始以来、過去最多を記録しました。また、2024年の熱中症による死者数も計2,033人と過去最高となっており、毎年多くの方が命を落とす非常に危険な病態です。

2026年も厳しい暑さが予想されます。最新の「熱中症診療ガイドライン2024」のポイントも踏まえ、ご自身やご家族の命を守るための正しい知識と対策を早めに身につけましょう。

熱中症とは?なぜ起こるのか

通常、私たちは暑い場所にいたり運動して体温が上がったりすると、「汗をかく」「皮膚の血管を広げる」ことで体内の熱を逃がし、体温を一定に保ちます。

しかし、脱水状態や湿度が高すぎる環境にいると、この体温調節機能がうまく働かなくなってしまいます。その結果、体の中に熱がこもり、様々な身体の不調を引き起こす状態が「熱中症」です。

熱中症のサインと受診の目安

熱中症は重症度によって「軽症」「中等症」「重症」に分けられます。症状に合わせた迅速な対応が必要です。

【軽症】その場での応急処置

症状:めまい、立ちくらみ、こむら返り(足がつる)、大量の発汗

対策:すぐに涼しい日陰やエアコンの効いた室内へ移動し、水分と塩分を補給して安静にしてください。

【中等症】医療機関の受診を!

症状:頭痛、吐き気・嘔吐、強いだるさ(倦怠感)、判断力の低下

対策:自力で水分が摂れなかったり、休んでも症状が改善しない場合は、迷わず医療機関を受診してください。

【重症】ためらわずに救急車(119番)を!

症状:呼びかけに応じない、返答がおかしい、意識がない

対策:非常に危険な状態です。「体温が異常に高く(40度目安)、意識がおかしい」場合は、すぐに救急車を呼んでください。

医師からのワンポイントアドバイス

最新のガイドラインでは、熱中症に対する「解熱剤」の使用は推奨されていません。熱中症による高熱に解熱剤は効かないため、霧吹きで水をかけて扇風機を回す、首回りや脇の下、太ももの付け根を氷で冷やすなど、物理的に体温を下げることが最優先です。

熱中症予防の3つのポイント

私たちが日常でできる熱中症予防の基本は、大きく分けて3つです。

こまめな水分・電解質の補給

「のどが渇いた」と感じた時には、すでに脱水が始まっています。のどが渇く前に、こまめに水分を摂ることが大切です。

水だけでなく、塩分(電解質)を含むスポーツドリンクや経口補水液(OS-1など)が効果的です。

お酒(アルコール)は利尿作用があり、飲んだ以上の水分が尿として出てしまうため、水分補給にはなりません。逆効果になるので注意しましょう。

エアコンを活用した適切な室温・湿度管理

室内での熱中症も非常に多く発生しています。

健康な方:室温28℃以下、湿度70%以下をキープ

持病のある方・高齢の方:室温26℃以下、湿度50%以下をキープ

室内でも気温30℃、湿度75%を超えると熱中症のリスクが急増します。我慢せずにエアコンや扇風機を適切に使用してください。

外出時の工夫と「暑熱順化」

外出する際は、日陰を選んで歩く、帽子や日傘を使う、通気性が良く熱を吸収しにくい明るい色の服を着るなどの工夫をしましょう。

また、本格的な夏が来る前に、無理のない範囲で運動や入浴をして汗をかく習慣をつけ、少しずつ体を暑さに慣れさせる「暑熱順化(しょねつじゅんか)」も予防に有効です。(※持病のある方や体調に不安がある方は、無理をしないでください)

特に注意が必要な方

お子様やご高齢の方は、体温調節機能が未熟だったり低下したりしているため、熱中症になりやすい傾向があります。周りの方がこまめに水分補給や室温のチェックをしてあげることが大切です。

また、肥満、運動不足、寝不足、屋外での労働、過度なスポーツ活動、高温多湿な屋内作業も熱中症のリスクを高めます。一部の持病や服用しているお薬が影響することもあるため、不安な方はかかりつけ医にご相談ください。

まとめ

熱中症の基準やガイドラインは改訂されていますが、私たちがやるべき予防策は変わりません。「こまめな水分補給」と「エアコンを使った温湿度調整」を徹底し、この厳しい夏を一緒に乗り切りましょう。

体調に少しでも異変を感じた場合や、「もしかして熱中症かな?」と不安に思ったときは、我慢せずに早めに医療機関をご受診ください。


書いた人

石井優

資格
日本内科学会:認定内科医・総合内科専門医
日本消化器病学会:専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会:専門医・指導医
日本肝臓学会:専門医
日本腹部救急医学会:教育医
日本膵臓学会:認定指導医
日本胆道学会:認定指導医
がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修終了
医学博士


いしい医院 内科・消化器内科総合内科専門医・消化器病学会専門医・消化器内視鏡学会専門医・肝臓学会専門医・リウマチ専門医 住所:〒140-0015 東京都品川区西大井3-6-17
電話番号:03-3771-3933
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時間
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