この記事のポイント
- インフルエンザ流行:東京都も「流行期入りの目安」である1.0人をこえました。今年も昨年同様早い流行の可能性があります。
- インフルエンザの初期症状:突然の発熱、悪寒、頭痛、関節痛・筋肉痛、強い全身倦怠感などが特徴ですが、必ずしも全員が高熱になるとは限りません。微熱や消化器症状(吐き気・下痢など)が目立つ場合もあります。
- 検査のタイミング:迅速抗原検査は発症直後だとウイルス量が少なく陰性になることがあります。「発熱後12時間」は絶対的なルールではなく、症状や周囲の流行状況を踏まえて医師が総合的に判断します。
- 治療薬の開始時期:抗インフルエンザ薬は原則として発症後48時間以内の開始が推奨されますが、重症化リスクが高い患者さんなどでは48時間以降も投与が検討される場合があります。
- 家族内感染と予防投与:同居家族が感染した際などの予防内服は自費診療(保険適用外)です。すべての方に一律に行うものではなく、重症化リスクや接触状況を考慮して医師が必要性を判断します。
- ワクチンとエフルエルダ:流行前の接種が基本です。60歳以上を対象に国内承認された高用量ワクチン「エフルエルダ」は標準ワクチンの4倍の抗原量を含みますが、2026/27シーズンの国内発売および定期接種導入は見送り(発売時期未定)となっています。
品川区西大井にお住まいの皆様、近隣の大井町、中延、戸越エリアなどで通勤・通学されている皆様、こんにちは。「いしい医院」です。
インフルエンザといえば「寒さが本格化する真冬の病気」というイメージが定着していますが、その流行時期やウイルスの動向はシーズンごとに大きく変化します。近年は秋口など早い時期から感染者が散発的に報告されることもあり、「まだ10月のワクチン接種前なのに熱が出た」「家族がインフルエンザにかかってしまった」と心配されて来院する方がいらっしゃいます。
医療の現場でも、抗ウイルス薬の特徴に応じた使い分けや、60歳以上の方を対象とした高用量ワクチン「エフルエルダ」の国内承認など、感染対策や治療の選択肢は日々進化しています。
日々の診療でよくご質問いただく「検査はどのタイミングで受けるのが適切か」「抗ウイルス薬はどう選ぶのか」「家族が感染したときの予防投与とは」「新しいワクチンは何が違うのか」といった疑問について、最新の医学的エビデンス(国内外の臨床論文や学会ガイドライン)に基づき、医師の視点から詳しく解説します。
2026年のインフルエンザ流行は早い? 最新の動向とワクチン前の備え
インフルエンザの流行時期は毎年一定ではありません。例年、本格的な流行は秋から冬にかけてですが、年によっては初秋から患者報告が増え始めることもあります。
東京都感染症情報センターが公表しているサーベイランス(2026年第34週:8月17日〜23日時点)によると、定点医療機関からのインフルエンザ患者報告数が「流行期入りの目安」である1.0人をこえ、1.49人と都内でも流行期入りを確認しています。
「インフルエンザワクチンは10月以降に打つものだから、それまでは心配ない」と油断するのは禁物です。ワクチンは接種してから体内で十分な免疫(抗体)ができるまでに一定の期間を要します。そのため、もし早い時期から散発的な発生が見られる場合、「ワクチンを打つ前の無防備な期間」をどう過ごすかが重要になります。
手洗いや手指消毒、室内の換気、十分な休養といった基本的な感染対策は、時期を問わず早めから意識しておきましょう。
インフルエンザとは? 風邪との違い
外来で「風邪をこじらせてインフルエンザになったのでしょうか」と尋ねられることがありますが、インフルエンザと一般的な風邪(普通感冒)は、原因となる病原体も症状の経過も異なる感染症です。
一般的な風邪は、ライノウイルス、コロナウイルス(従来型)、アデノウイルスなどが主な原因です。喉の違和感や鼻水からゆっくりと始まり、熱が出ても微熱から中等度にとどまることが多く、全身への影響は比較的緩やかです。
一方、インフルエンザは「インフルエンザウイルス(主にA型・B型)」が気道粘膜に感染することで発症します。潜伏期間は1〜4日(平均約2日)と短く、発症とともに発熱、悪寒(強い寒気)、頭痛、関節痛・筋肉痛、全身倦怠感などが急激に現れるのが特徴です。
A型とB型の特徴
- A型インフルエンザ:ウイルスの表面タンパク質(HA・NA)が頻繁に変異するため、毎年の流行や世界的大流行(パンデミック)の原因となります。高熱や強い全身症状が前面に出やすい傾向があります。
- B型インフルエンザ:A型と同様に季節性の流行を起こします。流行する時期や症状にはシーズンによる違いがあります。発熱や咳、咽頭痛などの呼吸器症状に加えて、特に小児では嘔吐や下痢などの消化器症状を伴うことがあります。
| 項目 | 一般的な風邪 | インフルエンザ |
|---|---|---|
| 発症 | 比較的ゆっくり | 急激なことが多い |
| 発熱 | 発熱しないこともある | 発熱を伴うことが多い |
| 全身症状 | 比較的軽い | 発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、倦怠感などが強く出やすい |
| 呼吸器症状 | 鼻水、鼻づまり、咽頭痛など | 咳、咽頭痛など |
インフルエンザの症状|高熱だけではありません
インフルエンザの典型的な症状は急激な発熱ですが、「必ずしも全員が高熱を出すとは限らない」という点に注意が必要です。
ワクチンを接種済みの方、高齢者、早期に解熱薬を内服した方などでは、37℃台の微熱にとどまることや、熱があまり上がらず倦怠感や呼吸器症状だけが目立つケースもあります。「熱が38℃を超えていないからインフルエンザではない」と自己判断せず、周囲の流行状況や全身のだるさにも目を向けることが大切です。
消化器症状(吐き気・嘔吐・下痢・腹痛)と脱水対策
インフルエンザでは、咳や発熱などの呼吸器症状だけでなく、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状を伴うことがあります。特に小児では消化器症状が目立つこともあります。
発熱による発汗に加え、嘔吐や下痢が続くと体内の水分と電解質が失われ、脱水症に進行しやすくなります。特に高齢者では脱水から全身状態の悪化を招くリスクがあるため、こまめな水分・電解質補給が重要です。
- 補給する水分:嘔吐や下痢がある場合は、水分だけでなく電解質も補える「経口補水液(OS-1など)」が適しています。
- 補給のコツ:吐き気がある時に一度に大量の水分を飲むと、胃を刺激して嘔吐を誘発することがあります。一度に大量に飲まず、少量ずつこまめに摂取するようにしてください。
インフルエンザの検査はいつ受ける? 発熱後12時間が目安?
発熱などの症状が出た際、「すぐに検査をしてはっきりさせたい」と発熱直後(数時間以内)に受診される方が多くいらっしゃいます。しかし、検査のタイミングには注意が必要です。
迅速抗原検査の仕組みと「偽陰性」
現在、多くのクリニックで行われている迅速抗原検査は、鼻の奥(鼻咽頭)を綿棒でぬぐい、採取した検体の中に含まれるウイルス特有のタンパク質を検出する仕組みです。
発熱してすぐの段階はウイルスが体内で増殖している最中であり、鼻咽頭の粘液に含まれるウイルス量が検査キットの検出限界に達していない場合があります。そのため、実際には感染しているにもかかわらず、検査結果が「陰性」と出てしまう「偽陰性」が起こり得ます。
発症時間がインフルエンザ抗原迅速検査に与える影響の表になります。
| 時間帯 | インフルエンザ患者 全体の感度 (n=313) | 37.8度以上の発熱、 咳または咽頭痛のある インフルエンザ患者 の感度 (n=136) |
|---|---|---|
| 12時間未満 | 38.90% | 50% |
| 12~24時間 | 40.50% | 60.90% |
| 24~48時間 | 65.20% | 74.20% |
| 48時間以降 | 69.60% | 75% |
| 全体 | 54.30% | 67.90% |
「発熱後12時間」は絶対的なルールではありません
一般的に「12時間」と説明される背景には、発症直後は迅速抗原検査の感度が十分でない場合があるという事情があります。しかし、厚生労働省のガイドライン等において「12時間経過するまで一律に検査を待たなければならない」と定められているわけではありません。
検査の適切なタイミングは「発症から○時間」と一律に決められるものではなく、症状の程度、発症からの時間、周囲の流行状況、使用する検査機器などを総合して医師が判断します。
- 発熱から数時間であっても、周囲で感染が流行しており典型的な症状がある場合は、検査結果だけでなく臨床経過を総合して医師が治療の必要性を判断します。
- 逆に、時間が経過してからの検査が陰性であっても、状況からインフルエンザが強く疑われる場合は、医師の判断で抗ウイルス薬の投与を検討することもあります。
息苦しさ、意識障害、強い脱水などの重篤なサインがある場合は、検査のタイミングを待つ必要はありません。直ちに医療機関を受診してください。
インフルエンザの治療薬|タミフル・ゾフルーザ・イナビルなど
インフルエンザの治療薬(抗インフルエンザウイルス薬)は、ウイルスを直接死滅させるのではなく、「体内でウイルスが増殖したり、細胞外へ広がったりするのを抑える」お薬です。
基本原則:「原則48時間以内の開始」
抗インフルエンザ薬は、発症から48時間以内に内服や吸入を開始することが原則とされています。早期に投与を始めることで、症状の持続期間を短縮し、ウイルス排出期間を減らす効果が期待されます。
なお、重症例や基礎疾患を有する重症化ハイリスクの患者さんにおいては、発症から48時間を過ぎていても医師の判断で投与を検討する場合があります。
主な抗インフルエンザ薬の比較
| 薬剤名(一般名) | 作用機序 | 投与方法・期間 | 特徴と臨床でのポイント |
タミフル (オセルタミビル) | ノイラミニダーゼ阻害 | 経口(カプセル・ドライシロップ) 1日2回 × 5日間 | 世界中で豊富な臨床データと使用実績がある標準薬。小児用シロップもあり幅広い年代で使用されます。 |
ゾフルーザ (バロキサビル マルボキシル) | キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害 | 経口(錠剤・顆粒) 1回のみ内服 | 1回の内服で治療が完結。CAPSTONE-1試験などの臨床研究において、ウイルスが検出される期間を短縮する効果が確認されています。小児では耐性ウイルスの問題あり。 |
イナビル (ラニナミビル) | ノイラミニダーゼ阻害 | 吸入(専用吸入器) 1回吸入で完結 | 気道局所に直接届く吸入薬。1回で吸入が完了するため飲み忘れがありませんが、確実な吸入手技が必要です。 |
リレンザ (ザナミビル) | ノイラミニダーゼ阻害 | 吸入(専用吸入器) 1日2回 × 5日間 | 気道局所に作用する吸入薬。気管支喘息など慢性呼吸器疾患がある方は慎重に選択します。 |
ラピアクタ (ペラミビル) | ノイラミニダーゼ阻害 | 点滴静脈注射 1回(約15〜30分) | 激しい嘔吐や意識障害などで内服・吸入が困難な患者さんに確実に投与できる点滴製剤です。 |
異常行動への注意と家庭での見守り
かつて「抗インフルエンザ薬を飲むと異常行動を起こす」と広く報じられましたが、厚生労働省の研究班による調査などにより、抗インフルエンザ薬の使用の有無にかかわらず、インフルエンザ罹患そのものに伴って異常行動が見られることがあると分かっています。
厚生労働省の注意喚起に基づき、薬剤の種類に関係なく、特に小児や未成年者が感染した際は少なくとも発熱から2日間は小児・未成年者を一人にしない見守りを徹底してください。
- 玄関ドアやベランダの窓を確実に施錠する
- ベランダに面していない1階の部屋で寝かせる
- 窓格子のある部屋を寝室にする
インフルエンザワクチンはいつ受ける?
インフルエンザ対策の基本は事前の予防接種です。ワクチンは「絶対に感染を防ぐ」ものではありませんが、「発症や重症化、入院などのリスクを低下させる効果」が期待されています。
- 効果が出るまでの期間:接種後、体内で十分な抗体が作られるまでに約2週間かかります。
- 持続期間:効果は時間とともに低下しますが、一般的には接種後数か月にわたって一定の予防効果が期待されます。
日本では例年12月~3月頃に流行するため、12月中旬までに接種を終えることが望ましいとされています。ただし、昨年のように流行が早まる可能性もあるため、接種可能になった時期や地域の流行状況を踏まえて、早めに接種を検討しましょう。
高齢者向け高用量ワクチン「エフルエルダ」とは?|2026/27シーズンの発売状況も解説
高齢者では加齢に伴って免疫応答が低下し、ワクチン接種後の抗体応答も若年者に比べて弱くなることがあります。このような免疫老化(immunosenescence)への対応策の一つとして開発されたのが、高用量インフルエンザワクチンです。
日本国内においても、高用量インフルエンザワクチン「エフルエルダ(一般名:高用量インフルエンザHAワクチン)」が60歳以上の方を対象として薬事承認されています。
エフルエルダの特徴:抗原量が4倍
エフルエルダは、そのシーズンに推奨されるインフルエンザウイルス株を含み、含まれる抗原量(ヘマグルチニン抗原量)が従来の標準用量ワクチンの「4倍(各株60µg、合計240µg)」配合されています。
※注意:抗原量が4倍配合されているからといって、予防効果がそのまま4倍になるという意味ではありません。加齢による免疫応答の低下を補い、よりしっかりとした抗体産生を促すための設計です。
【抗原量の比較イメージ】
標準用量ワクチン : 各株 15µg 配合 (合計 60µg)
エフルエルダ : 各株 60µg 配合 (合計 240µg = 標準の4倍量)
【重要】2026/27シーズンの国内発売状況について
エフルエルダは日本国内で薬事承認を取得していますが、製造元(サノフィ)からの供給体制や導入スケジュールの変更等に伴い、2026/27シーズンに予定されていた国内での製造販売および高齢者定期接種への導入は見送りとなっています。
日本感染症学会からも情報提供がなされている通り、現時点で国内での製造販売開始時期は未定となっています。そのため、今シーズンは、従来のインフルエンザワクチンによる予防接種が基本となります。
臨床試験による最新エビデンス(参考知見)
高用量ワクチンの有用性に関しては、海外の大規模なランダム化比較試験(RCT)で様々な検証が行われています。
- 発症予防効果(2014年 NEJM / DiazGranadosら):65歳以上の高齢者約32,000人を対象とした二重盲検RCTにおいて、高用量ワクチンは標準用量ワクチンと比較して、検査確定インフルエンザの発症をさらに相対的に24.2%減少させました(95%信頼区間: 9.7–36.5%)。
- 入院予防効果の検証(2025年 NEJM):
- GALFLU試験(Pardo-Secoら):65〜79歳を対象とした大規模ランダム化試験において、高用量ワクチンは標準用量ワクチンと比較して、主要評価項目である「インフルエンザまたは肺炎による入院」のリスクを相対的に23.7%低下させました(95%信頼区間: 6.6–37.7%)。
- 統合解析(FLUNITY-HD / 2025年 Lancet):その後、両試験の個人レベルデータを統合した解析(FLUNITY-HD)も報告されており、高用量ワクチンの有効性についてさらに検証されています。
家族がインフルエンザに感染したら? 予防投与とは
「同居する家族がインフルエンザにかかった。自分もうつるわけにはいかない」という場面で検討されるのが、抗ウイルス薬の「予防投与(予防内服)」です。
予防投与の仕組みとエビデンス
予防投与とは、発症前の段階で抗インフルエンザ薬を使用し、体内でウイルスが増殖するのを未然に防ぐ処置です。
例えば、バロキサビル(ゾフルーザ)を用いた家庭内接触者対象の二重盲検RCT(BLOCKSTONE試験/Ikematsuら)などにおいて、感染者との接触後に速やかに投与を開始することで、発症リスクを有意に低下させることが示されています。
予防投与における重要事項
予防投与を検討される際は、以下の医療上のルールをご理解いただく必要があります。
- 保険適用外(自費診療):病気の治療ではなく予防を目的とするため、健康保険は適用されず、診察料・薬剤費ともに全額自己負担となります。
- 接触後できるだけ早く医師に相談:抗インフルエンザ薬による予防投与は、感染者との接触後、薬剤ごとに定められた時間内に開始する必要があります。代表的な薬剤では48時間以内の開始が必要とされていますが、薬剤によって用法・用量が異なるため、接触後はできるだけ早めの相談が大切です。
- 適応は医師が個別に判断する:予防投与は希望者全員に一律に行うものではありません。年齢、基礎疾患、接触状況、ワクチン接種歴などを踏まえ、予防投与のメリットとデメリットを考慮して医師が個別に判断します。
- ワクチンの代わりにはならない:予防効果は薬を使用している期間に限られます。数ヶ月にわたり免疫を維持するものではないため、事前のワクチン接種が基本であることに変わりはありません。
インフルエンザの解熱剤|子どもは特に注意
発熱がつらいからと、自宅の薬箱にある残った解熱鎮痛薬を自己判断で服用するのは危険を伴います。
小児で避けるべき解熱薬と脳症リスク
小児のインフルエンザにおいては、解熱薬の種類に厳重な注意が必要です。
- アスピリン(サリチル酸系製剤):小児のインフルエンザや水痘罹患時には、ライ症候群との関連からアスピリンを含むサリチル酸系薬剤の使用は避けます。
- ジクロフェナクナトリウム・メフェナム酸:インフルエンザ脳症・脳炎との関連から、小児のインフルエンザでは使用を避けることが推奨されています。
成人における解熱薬の考え方
成人では解熱鎮痛薬の選択肢が異なるため、「インフルエンザだからすべてのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が使用できない」という意味ではありません。持病、腎機能、胃腸障害、他の薬との飲み合わせなどを考慮して医師・薬剤師に相談してください。
よく用いられる「アセトアミノフェン」
インフルエンザに伴う発熱や頭痛などには、アセトアミノフェン(商品名:カロナールなど)がよく用いられます。解熱剤が必要な際は自己判断せず、医師や薬剤師にご相談ください。
日常生活でできるインフルエンザ予防
日常生活における基本的な感染対策を組み合わせることが、感染リスクを下げるうえで重要です。
- 流水と石鹸による手洗い・アルコール手指消毒:インフルエンザウイルスは脂質の膜(エンベロープ)を持っているため、アルコール消毒液が有効です。帰宅時や食事前の手指衛生を習慣化しましょう。
- 室内の適切な湿度管理:空気が乾燥すると気道粘膜の防御機能が低下しやすくなります。加湿器などを活用し、室内が過度に乾燥しないよう適切な湿度を保ちましょう。
- 定期的な換気:閉め切った室内では空気中のウイルス濃度が高まりやすくなります。定期的に窓を開けて室内の空気を入れ替えましょう。
- 十分な休養とバランスの良い食事:過度な疲労や睡眠不足は体調を崩す要因になります。日頃から十分な休養と、良質なタンパク質を含むバランスの良い食事を心がけてください。
インフルエンザで受診すべき危険な症状(受診の目安)
以下のような症状が見られる場合は、重症化や合併症(肺炎、インフルエンザ脳症、重度の脱水など)が疑われます。時間帯にかかわらず速やかに病院へご相談ください。
- 息苦しそうにしている、呼吸が速い、ゼーゼー・ヒューヒューと音がする
- 呼びかけへの反応が鈍い、意識がはっきりしない
- 意味不明な言動がある、異常に興奮して暴れる
- 水分が全く摂れず、尿が極端に少ない、長時間尿が出ない
- 顔色が明らかに青白く、ぐったりして動けない
インフルエンザに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 発熱してすぐ受診しても検査してもらえますか?
A. 診察や検査自体は可能ですが、発熱直後は体内のウイルス量が少なく、感染していても陰性と出てしまう「偽陰性」の可能性があります。症状が落ち着いており水分が摂れている場合は、ある程度時間が経過してからの受診が検査精度としては安定します。ただし、呼吸苦やぐったりしているなどの危険な症状がある場合は、経過時間に関係なく直ちに受診してください。
Q2. 検査が陰性ならインフルエンザではありませんか?
A. 検査が陰性であっても、発熱初期でウイルス量が少なかった場合など、インフルエンザを完全に否定できるわけではありません。医師は周囲の流行状況や症状の経過を総合して判断します。
Q3. 抗インフルエンザ薬は発症後48時間を過ぎたら使えませんか?
A. 原則として発症から48時間以内の投与開始が推奨されています。ただし、基礎疾患をお持ちの方や重症化リスクが高い患者さんでは、48時間を過ぎていても医師の判断で抗ウイルス薬の投与を検討する場合があります。
Q4. 家族がインフルエンザになったら誰でも予防薬を飲めますか?
A. 濃厚接触後、薬剤ごとに定められた時間内に開始できれば自費診療(保険適用外)にて予防投与が検討可能です。ただし誰にでも一律に行うものではなく、年齢、基礎疾患、接触状況などを踏まえ、医師が必要性を個別に判断します。
Q5. エフルエルダは今シーズン接種できますか?
A. 日本国内で承認された高用量ワクチンですが、供給体制等の見直しにより2026/27シーズンの国内発売および定期接種導入は見送り(発売時期未定)となっています。今シーズンは、従来のインフルエンザワクチンによる予防接種が基本となります。
まとめ:明日から実践できるポイント
- 早めのワクチン計画を:例年の流行時期や地域の状況を踏まえ、10月〜11月頃を中心に接種を検討しましょう(今シーズンは従来のインフルエンザワクチンによる予防接種が基本となります)。
- 発熱時は経過を把握して受診を:発熱直後は偽陰性の可能性があります。水分補給を行いつつ、発症時間をメモして受診してください(緊急症状がある場合は即受診)。
- 治療薬は原則48時間以内:発症後は無理をせず、早めに医療機関へ相談しましょう。
- 解熱剤は自己判断で選ばない:小児の脳症リスク等を避けるため、アセトアミノフェンなどを中心に医師・薬剤師に確認して使用してください。
- 手洗い・適切な湿度・休養の徹底:日頃の基本的な感染対策を継続しましょう。
品川区西大井のいしい医院でインフルエンザの相談
いしい医院は、東京都品川区西大井にある内科・消化器内科のクリニックです。発熱、咳、咽頭痛、悪寒などの急性症状について一般内科診療を行っており、インフルエンザが疑われる場合には、症状や発症からの時間、周囲の流行状況などを確認したうえで必要な検査・治療を検討します。
また、インフルエンザワクチンの接種や、同居家族が感染した際の予防投与についてのご相談も受け付けております。
西大井駅周辺にお住まいの方はもちろん、大井町、山王、馬込など近隣地域からもご相談いただけます。「インフルエンザかもしれない」「家族がインフルエンザになった」「検査を受けるタイミングが分からない」とお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
出典・参考文献
- DiazGranados CA, et al. Efficacy of High-Dose versus Standard-Dose Influenza Vaccine in Older Adults. N Engl J Med. 2014;371(7):635-645.
- Pardo-Seco J, et al. High-Dose Influenza Vaccine to Reduce Hospitalizations (GALFLU Trial). N Engl J Med. 2025;393:2303-2312.
- Biering-Sørensen T, et al. High-Dose Inactivated Influenza Vaccine in Older Adults (DANFLU-2 Trial). N Engl J Med. 2025;393:2291-2302.
- Johansen ND, Modin D, Pardo-Seco J, et al. Effectiveness of high-dose influenza vaccine against hospitalisations in older adults (FLUNITY-HD): an individual-level pooled analysis. Lancet. 2025.
- Hayden FG, et al. Baloxavir Marboxil for Uncomplicated Influenza in Adults and Adolescents (CAPSTONE-1). N Engl J Med. 2018;379(10):913-923.
- Ikematsu H, et al. Baloxavir Marboxil for Prophylaxis against Influenza in Household Contacts (BLOCKSTONE Study). N Engl J Med. 2020;383(4):309-320.
- 一般社団法人 日本感染症学会:抗インフルエンザ薬の使用について、高用量不活化インフルエンザワクチンの国内導入に関する見解・提言.
- 厚生労働省:インフルエンザQ&A、インフルエンザ罹患時の異常行動に関する注意喚起関連資料.
- 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA):エフルエルダ筋注 添付文書・審査報告書.
- 公益社団法人 日本小児科学会:インフルエンザ関連指針・提言、インフルエンザ脳症ガイドライン 改訂第2版.
書いた人
石井優
資格
日本内科学会:認定内科医・総合内科専門医
日本消化器病学会:専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会:専門医・指導医
日本肝臓学会:専門医
日本腹部救急医学会:教育医
日本膵臓学会:認定指導医
日本胆道学会:認定指導医
がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修終了
医学博士
いしい医院 内科・消化器内科総合内科専門医・消化器病学会専門医・消化器内視鏡学会専門医・肝臓学会専門医・リウマチ専門医 住所:〒140-0015 東京都品川区西大井3-6-17
電話番号:03-3771-3933
休診日:水曜、土曜午後、日曜、祝日
| 時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
| 9:00 ~12:30 | ○ | ○ | − | ○ | ○ | ○ | − |
| 16:00 ~18:30 | ○ | ○ | − | ○ | ○ | − | − |
品川区西大井、二葉、大井・大田区山王・馬込・北大森エリアので内科・消化器内科・健康診断・予防接種・訪問診療などの受診をお考えの方はいしい医院をご利用ください。皆様の身近なかかりつけ医を目指しております。




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