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医療豆知識

ブルーベリーの健康効果のエビデンス(眼にいい?アントシアニンによる血圧低下・心血管イベントの抑制、脂質異常改善、糖尿病予防、認知機能改善、腸の影響)

非常勤の石井優です。

うちでは庭にブルーベリーの苗があります。実がなるために結構苦労しました。今では採れたブルーベリーは数粒をヨーグルトにいれて食べています。今やスーパーなどどこでも見るブルーベリーですが、眼にいいイメージがありますよね?最近、ブルーベリーは、心血管疾患リスク低減・認知機能向上・抗酸化作用など、複数の健康効果について報告があります。今回はブルーベリーの健康効果について調べてみました。

ブルーベリーとは?

ブルーベリーは、ツツジ科スノキ属に分類される、北アメリカ原産の低木性果樹です。果実が美しい青紫色(ブルー)に熟すことからその名が付けられました。春には白やピンク色の可憐な釣鐘状の花を咲かせ、夏には実をつけ、緑、赤、青と色を変化します。果実は成熟すると紫黒色になり、大きさは1~4g程。秋には葉が美しく紅葉するため、楽しめます。​植物としての大きな特徴は、酸性の土壌(pH 4.3~5.5程度)を好むので育てる際に土を酸性に調整する必要があります。

ブルーベリーの品種

ブルーベリーは数百種類以上の品種があると言われていますが、大きくは以下の3つの系統に分けられます。特徴を図に示します。注意点として、ラビットアイ系は自家受粉しづらく、違う種類の苗を混植します。基本は虫が受粉してくれますが、自宅のブルーベリーは確実に実をつけたかったので花粉を集めて、筆で受粉しました。

  • ノーザンハイブッシュ系 : 寒冷地向き。果実の品質が高く、酸味と甘味のバランスが良い。自家結実性あり。
  • サザンハイブッシュ系 : 温暖地向き。耐暑性があり、育てやすい。果実は甘味が強くジューシー。
  • ラビットアイ系 : 暖地向き。樹勢が強く育てやすいが、他品種との受粉が必要。果実はやや小粒で甘味が強い。

ブルーベリーの栄養

ブルーベリーは、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ポリフェノール(特にアントシアニン)が豊富に含まれています。ブルーベリー100gでアントシアニン100~200㎎程度含まれています。

ブルーベリーのエビデンス

ブルーベリーは眼にいい?

ブルーベリーは眼にいいと聞いたことがあると思いますが、日本ブルーベリー協会のよると、「ブルーベリーが目に良い」という話は、第二次世界大戦中に英国空軍のパイロットがブルーベリージャムを好んで食べており、敵の飛行機がよく目が見えた、という逸話が広まったものです。後の研究でこの逸話の科学的根拠は限定的であり、視力が良くなるというエビデンスはありません。

​しかし、ディスプレイ作業などによる目の疲労感の軽減、​一時的なピント調節機能のサポート、​暗い場所での見え方の改善などの報告はあり、有効性が全くないというわけではないかもしれません。

ブルーベリーの心血管イベントと血管機能の改善効果・抗酸化作用

心血管イベントの改善・高血圧リスク低下が報告されています。

ある研究では、イチゴとブルーベリーを週3回以上摂取すると心筋梗塞リスクが34%低下し、アントシアニン摂取量が多い場合は32%低下しました。ブルーベリー週1回以上摂取で高血圧リスクが10%減少し、アントシアニン摂取量が多いと高血圧リスクは8%低下しました。複数の研究の解析で、ブルーベリーなどアントシアニン豊富なベリー類は総コレステロールや炎症マーカーのCRPを低下させ、心血管イベントのリスク・死亡率低下と関連しました。ブルーベリーのRCT(ランダム化比較試験:エビデンスの高い研究)では血中脂質や拡張期血圧を有意に低下させ、血管機能にもプラスの効果がありましたが、酸化ストレスや炎症、血圧への影響は研究間で異なりました。あるRCTではブルーベリー1~2カップ(150~350g、アントシアニン224~742mg)を最大24週間摂取すると有益な効果が見られ、特に運動不足者、メタボ症候群患者、高血圧閉経後女性で血圧低下や血管機能改善が示されました。急性摂取では100~240g(アントシアニン129~310mg)で用量依存的な血管機能改善が見られ、精製アントシアニン160mgでも同程度の効果がありましたが、メタボ症候群中高年では0.5カップ(182mg)で効果がなく、高齢者やリスク因子を有する人では高用量が必要な可能性があります。

引用:Stull AJ, et al. The state of the science on the health benefits of blueberries: a perspective. Front Nutr. 2024 Jun 11;11:1415737. doi: 10.3389/fnut.2024.1415737. PMID: 38919390; PMCID: PMC11196611.

ブルーベリーの脂質異常改善効果

ブルーベリーは中性脂肪、LDLコレステロール、HDLコレステロールを改善する可能性が示されています。

精製アントシアニン摂取で、血中LDLコレステロールが約 −5.4 mg/dL低下、トリグリセリドは −6.2 mg/dL低、HDLコレステロールは +11.5 mg/dL上昇、炎症マーカー(TNF-α, CRP)が有意に低下しました。LDL-C の減少は、精製アントシアニンを 200 mg/日以上摂取した被験者でより明白で−8.40 mg低下しました。アントシアニン豊富なベリー類の摂取でも、総コレステロールやCRPの低下が認められましたが、LDLやトリグリセリドへの影響は精製アントシアニンほど明確ではありませんでした。

引用:Xu L, Tian Z, Chen H, Zhao Y, Yang Y. Anthocyanins, Anthocyanin-Rich Berries, and Cardiovascular Risks: Systematic Review and Meta-Analysis of 44 Randomized Controlled Trials and 15 Prospective Cohort Studies. Front Nutr. 2021 Dec 15;8:747884. doi: 10.3389/fnut.2021.747884. PMID: 34977111

ブルーベリーの糖尿病リスク低下効果

疫学研究では、ブルーベリーの習慣的摂取量が多いほど2型糖尿病リスクが低下し、週2回以上摂取で月1回未満と比べ発症リスクが低いことが示されています。RCTでは、6〜24週間の毎日摂取(0.5〜2カップ、75〜300g、生換算182〜668mgアントシアニン)が血糖調節やインスリン抵抗性に及ぼす影響を調査し、肥満かつインスリン抵抗性の成人で300g(668mgアントシアニン)を6週間摂取するとインスリン感受性が改善しましたが、他研究では300g(580mg)や150g(364mg)摂取で有意差はなし。2型糖尿病男性の8週間摂取ではHbA1cとフルクトサミンが減少しましたが、糖尿病予備群ではHbA1c変化は見られず、ほとんどの研究で空腹時血糖・インスリン値の変化もありませんでした。ただし12週間介入では糖尿病予備群かつ認知機能低下群で空腹時血糖低下が見られました。急性試験では150g(364mgアントシアニン)摂取で高脂肪・高糖質食後24時間以内に食後血糖とインスリン濃度が低下しました。集団研究に基づくと、ブルーベリーの習慣的な摂取量が多い(週2回以上)と2型糖尿病のリスクが低下することが示されています。しかし、現在のエビデンスは、さまざまな結果をもたらしており、明確な結論を導き出すことは困難です。

ブルーベリーの認知機能の影響

認知障害のある成人と健康な成人を対象とした研究を集めたエビデンスの高い論文では、アントシアニン摂取後には、短期記憶、言語学習および作業記憶、実行機能、視覚空間機能、精神運動能力、注意力、意味記憶といった複数の領域で改善が見られました。15件の研究のうち4件では、抗疲労効果や不安・抑うつスコアの低下など、有意な気分の改善が報告されました。作業記憶、即時記憶、遅延記憶、および言語学習への影響は有意ではありませんでした。

引用:Lorzadeh E, et al. The Effect of Anthocyanins on Cognition: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Clinical Trial Studies in Cognitively Impaired and Healthy Adults. Curr Nutr Rep. 2025 Jan 29;14(1):23. doi: 10.1007/s13668-024-00595-z. PMID: 39875765

ブルーベリーの腸の影響

機能性消化管障害患者がブルーベリーを摂取すると腹部症状と生活の質が改善(フルクトース発酵や便の硬さは変化なし)。限定的なRCTで、生ブルーベリー150〜250g/日(アントシアニン302〜375mg)を6〜12週間摂取すると腸内細菌叢の構成に中程度の変化(特にビフィズス菌増加)、善玉菌が増加。酪酸産生菌と内皮機能・認知機能の改善との相関が観察されました。
16件の動物実験をまとめた論文では、ブルーベリー摂取により、腸内細菌改善、腸管透過性低下、酸化ストレス軽減、腸管炎症抑制、潰瘍性大腸炎モデルマウスで、ブルーベリーが酸化ダメージと炎症を抑制。試験管での研究および動物モデルで、腸上皮バリア機能の改善効果が示唆されています。

引用:Stull AJ, Cassidy A, Djousse L, Johnson SA, Krikorian R, Lampe JW, Mukamal KJ, Nieman DC, Porter Starr KN, Rasmussen H, Rimm EB, Stote KS, Tangney C. The state of the science on the health benefits of blueberries: a perspective. Front Nutr. 2024 Jun 11;11:1415737. doi: 10.3389/fnut.2024.1415737. PMID: 38919390; PMCID: PMC11196611.

まとめ

ブルーベリーは、心血管疾患リスク低減・脂質異常改善・糖尿病予防効果・認知機能向上・腸内細菌の影響などいろいろな健康効果がありそうです。しかし、研究ではブルーベリーを75g~350gを摂取しています。最近発表された北欧の栄養勧告では、健康上の利点のためにベリー類を食事に取り入れることの重要性が強調されており、1日500~800g以上のさまざまな野菜、果物、ベリー類を摂取することを推奨しています。ですが、結構な量ですよね。ブルーベリーをとりつつも、偏りのないバランスのよい食事が望ましいでしょう。


書いた人

石井優

資格
日本内科学会:認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本消化器病学会:専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会:専門医・指導医
日本肝臓学会:専門医
日本腹部救急医学会:教育医
日本膵臓学会:認定指導医
日本胆道学会:認定指導医
がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修終了
医学博士


いしい医院 内科・消化器内科

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