皆さんは超音波検査(エコー)検査を受けたことがありますか?
腹部超音波検査は、痛みや被爆などの身体への侵襲がなく、かつ非常に多くの情報を与えてくれる重要な検査です。
受けたことがないとイメージしづらいかもしれませんが、検診などでもよく行われています。病院の救急などでは痛い箇所に超音波をあて原因をしらべたりもします。
実は院長は超音波専門医で指導医(専門医を育てる人)だったりします。
目次
超音波検査とは?
腹部超音波検査の最大の特徴は、「痛みがない」こと、そしてX線やCT検査と違って「放射線被ばくの心配が一切ない」ことです。そのため、妊婦さんやお子様、そして繰り返し検査が必要な方でも安心して受けていただけます。

仕組みは機械のプローブ(超音波を出す機械)をお腹にあてると、そこから超音波が出ます。この音波は、体の中の臓器にぶつかると跳ね返ってきます。この跳ね返ってきた音(反射波)を機械が受け取り、画像に変換します。コウモリが暗闇で障害物を避けるために音を使うのと同じ原理です。
腹部超音波で見える主な臓器たち腹部エコーが得意とするのは、実質臓器(じっしつぞうき)と呼ばれる、中身が詰まった臓器です。具体的には、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓などが対象になります。とても有用な検査ですが、ガス(空気)や石や骨の裏は見えないという弱点があります。
腹部超音波検査で見えるものは?
私たち医師が、それぞれの臓器で何をチェックしているものをあげます。
肝臓(かんぞう)

肝臓は、お腹の右上に位置する人体で最大の臓器です。 肝臓の大きさ、形、表面が滑らかかデコボコしていないか、そして内部の色(輝度)を見ています。 よくあるものとしては、
脂肪肝(しぼうかん): 現代人に非常に多い症状です。肝臓に脂肪がたまると、エコー画像では肝臓が白っぽく、キラキラと輝いて見えます(高輝度)
慢性肝炎・肝硬変: 長年の炎症で肝臓が硬くなると、表面がデコボコしたり、内部が粗く見えたりします。当院ではシェアウェーブという肝臓の硬さを測る装置も使用可能です
肝腫瘍(しゅよう): 肝臓がんや血管腫(良性のしこり)の有無を確認します
胆のう
肝臓の下にある袋状の臓器で、胆汁を溜めています。 胆石ができていないか、壁が厚くなっていないか、ポリープがないかを見ます。
胆石(たんせき): エコー検査が最も得意とする分野の一つです。石は超音波を強く反射するため、白くはっきりと映り、その後ろに黒い影(音響陰影)を引くのが特徴です。
胆嚢ポリープ: 粘膜の一部が盛り上がったものです。大きさや形を見て、良性か悪性(がん)の可能性を判断します。 広基性(平べったいポリープ)や1cmをこえると癌の可能性が高くなり手術がすすめられます。
胆嚢炎: 壁が炎症で厚くなっている様子が見えます。依然のコラムも参照ください。
膵臓(すいぞう)

お腹の奥にある重要臓器胃の後ろ側にある、消化液やインスリンを作る臓器です。 膵臓の大きさ(腫れていないか、萎縮していないか)、膵管(膵液の通り道)が太くなっていないか、腫瘍がないかを見ます。 膵臓は体型やガスの量によっては一部が見えにくいことがあります。
膵炎(すいえん): 炎症で膵臓全体が腫れたり、周囲に液体が溜まったりしている様子を確認します。
膵臓がん・嚢胞(のうほう): 膵管の拡張や、腫瘍、液体の袋(嚢胞)がないかを慎重に探します。
腎臓(じんぞう)

尿を作る臓器で、背中側に左右一つずつあります。 大きさ、形、石の有無、尿の流れが滞っていないか(水腎症)を見ます。
腎結石: 腎臓の中にある石を発見できます。
水腎症(すいじんしょう): 尿管などが詰まり、尿が腎臓の中に溜まって腫れている状態が見えます。
慢性腎臓病:腎臓の大きさや皮質と髄質という領域の割合をみて、腎機能の低下を予測します。
腎腫瘍・嚢胞: 腎臓にできるしこりや、嚢胞は比較的よく見つかります。
脾臓(ひぞう)

血液のフィルター左の脇腹の奥にある臓器です。 主に大きさを測ります。リンパ腫など腫瘍が見つかることもあります。
脾腫(ひしゅ): 肝硬変などが原因で、脾臓が正常よりも大きく腫れている状態を確認できます。
その他
大動脈瘤や膀胱腫瘍、腹水、子宮や前立腺の腫瘍がないかなどを見ることが可能です。
検査を受ける前に
検査時には、絶食が必要です。食事をすると、胆嚢がしぼんで観察が難しくなったり、胃の内容物によって膵臓が見えなくなったりします。尿もしてしまうと膀胱内が見えなくなります。
腹部エコーは非常に優れた検査ですが、体型やガスの状態によっては臓器が見えないことがあります。そのような人は他の検査も併用しましょう。
まとめ
超音波検査は侵襲が少なくとても有用な検査です。健康診断で異常を指摘された方はもちろん、お腹の張りや痛みなど、気になる症状がある方は、一度腹部エコー検査を受けてみることをお勧めします。年齢や症状によっては検査より先にお薬で様子をみることをすすめることもありますが、ご希望の方はお声掛けいただければ幸いです。
書いた人
石井優
資格
日本内科学会:認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本消化器病学会:専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会:専門医・指導医
日本肝臓学会:専門医
日本腹部救急医学会:認定医
日本膵臓学会:認定指導医
日本胆道学会:認定指導医
がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修終了
医学博士
いしい医院 内科・消化器内科
住所:〒140-0015 東京都品川区西大井3-6-17
電話番号:03-3771-3933
休診日:水曜、土曜午後、日曜、祝日
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